つっぱり大相撲。 実はキャプテン翼を作っている途中で割り込んできたプロジェクトなんです。
制作期間は2ヶ月。 とてつもなくハード。
登場する力士のドット絵を描いて、仕様書を書いて、難易度データを作って…。
しかし、難易度がうまくまとまりません。 相撲は難しい。 膝をついたら終わりだから、どうやって勝ち負けを付けて、その上、ゲームらしく派手にするか…。
締め切りはどんどん近づいてきます。 迷走するワタシ。
プログラマは業を煮やし、ヒットポイントの判定の演算部分を自前で作ってみます。 しかし、それもうまく行きません。
もう一度、何か考えて、とプログラマ。前の演算部分は消しちゃったから…、と。
消しちゃったのか…。追い込まれていたためか、その時、涙がこぼれました。
それからどうやって思いついたのか覚えていませんが(思い出したら書き足します)、ちょうど良いヒットポイントの演算方法を見つけました。 プログラマは演算のみで行おうとしていたもの。 私はデータテーブル優先で行おうとしていたもの。 その二つの折衷案の形で。
時は移って、と言ってもほんの数週間ですが、翼の開発が再開します。
翼の勝敗判定の仕様をプログラマ(つっぱりと同じ人だよ)に説明してたときのこと。
「
なんだか、つっぱりの演算と似てるなぁ」
「そりゃそうさ。あのとき、思いついたんだから。この方法は翼でも応用できるって」
もしかすると、つっぱり大相撲がなければ、あの翼の演算システムは無かったかもしれませんね。
テクモのビルがまだ本所吾妻橋にあった頃のお話しでした。
そのビルのベランダで、
プログラマと二人で見た朝焼けは今でも忘れられません。
久しぶりにFCソロモンの鍵をプレイしたら、何でこんなに難しくしたんだろうって、で、思い出しましたというお話しです。
昔、ファミコンマガジンという雑誌があったじゃないですか。
そこに、小学生とかから裏技が送られていて、掲載されているページがあって。
開発部のみんなでそのページを見て、「すごいなぁ。今の小学生は〜。こんなこと自力で見つけ出すんだぁ〜」と感心したものです。
こんなプレイができる子供相手なんだから、もっと難しくしなきゃ、と
。
こんなんじゃ甘い。 ここはこう! と☆一徹がひゅうま君をしごくみたいにどんどんと締め上げられ、ついに、ガチガチにしめたパチンコ台みたいな難易度になって行きました。
ソロモンはテクモのFC参入2作目だったものですから、その裏技の大部分がメーカーからの情報提供なんて事を知らなかったんです。
後悔先に立たず。
でも、未だに遊んでいる人たちを見ると、そんなに難しいとは思っていない様子。
やはり、そんな小学生だったんでしょうか。